契約書や領収書の電子化で節税を!

昨今のデジタル化で、電子契約書や電子領収書の導入が進んでいます。
紙で契約書を交わす際や紙の領収書を発行する時には、金額によって収入印紙を貼らなくてはいけませんが、契約書や領収書の電子化で収入印紙は不要となります。

そもそも、印紙税が課税されるのは、印紙税法で定められた課税文書に限られます*が、電子メールに添付するPDFファイルの契約書や領収書は紙ではないため「文書」ではないと判断され、非課税扱いとなるからです。
収入印紙が不要になる=印紙税の節税につながりますので、ぜひお早目の導入をご検討ください。
(* 国税庁/税の情報・手続・用紙/税について調べる/タックスアンサー(よくある税の質問)/No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断 より)

参考:
コミットメントライン契約に関して作成する文書に対する印紙税の取扱い(国税庁)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/inshi/5111/01.htm
(問2)の答え
 請求書や領収書をファクシミリや電子メールにより貸付人に対して提出する場合には、実際に文書が交付されませんから、課税物件は存在しないこととなり、印紙税の課税原因は発生しません。
 また、ファクシミリや電子メールを受信した貸付人がプリントアウトした文書は、コピーした文書と同様のものと認められることから、課税文書としては取り扱われません。

セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制って聞いたことありますか?

所得税の確定申告をなさる方、医療費控除はご存知ですよね。サラリーマンの方でも、「去年は病院にたくさんお金を払ったなぁ」というときは、少しでも税金を取り戻すために確定申告をなさった方が少なからずいらっしゃると思います。

医療費控除は10万円以上の医療費がかかった場合に、超えた金額だけその年の課税所得から控除できるという制度です。所得によっては10万円に届かなくても医療費控除を受けることができる場合があります。

さて、セルフメディケーション税制です。これは、別名「医療費控除の特例」とされています。
簡単にその違いを言うと、①医療費控除は病気にかかった場合に支払った医療費が対象ですが医療費控除の特例は病気の予防に心配りしている方が病気にかかっても病院行かずに済ませた場合の医療費が対象です。
さらに、②医療費控除は原則「かかった医療費-10万円」が課税所得からの控除金額ですが、医療費控除の特例は「かかった医療費-1万2千円」が課税所得からの控除金額になるのです。

おお、医療費控除の特例は使えそうじゃん、と思ったあなた、デメリットも要チェック。①医療費控除との併用はできません。②控除できる医療費の上限は8万8千円です。③対象となる方と医療費は限定されています。

病院に行かずに1万2千円以上の医療費を使うって、結構難しいかもしれない、というのが率直な感想です。上限なんてとても届きそうにありません。ただ、対象となる医療費は限定されているものの、意外と対象となる薬品は多いらしいです。

まず対象となる方ですが、条件として健康診断等を受けるなど、「健康の維持増進及び疾病の予防への取り組みとして行う個人」に限られます。健康診断等とは、特定健康診査(メタボ診断)、予防接種、定期健康診断(事業主健診)、健康診査(人間ドッグ等)、がん検診、などが該当し、これらを行ったことを明らかにする書類(お医者さんか医療機関の名称が記載されているもの)を確定申告書に添付する必要があります。これは、かなりの方が受けていますよね。
次に対象となる医薬品ですが、スイッチOTC医薬品になります。スイッチOTC医薬品とは、要指導医薬品及び一般医薬品のうち、医療用から転用された医薬品のことです。これらの領収書を添付する必要があるのですね。では、スイッチOTC医薬品とは何ぞや。かなり一般的なお薬も対象になっているようです。例えば、「ガスター10」とか、「ロキソニン」とか、「アレジオン」とか、「メンターム」とか、「バファリン」とか、「ノーシン」とか、「パブロン」とか、CMの決め文句が頭に浮かんでくるお薬なら大抵のものが対象になっているようです。

対象となるお薬にはこんなマークがついているようです。

お薬購入の際の目印にしてください。

最後に、こんな制度ができた目的ですが、国民の医療費増大が健康保険の国庫負担を圧迫しているらしく、国庫負担を少しでも減らしたいというのが主眼なようです。それなら、1万2千なんて限度をつけなきゃいいのに、と思うのですが、少しでもアリにすると確定申告の処理も大変になるし、税収も減るしということなんでしょうか。より使いやすい制度にして税収が減ったとしても、健康保険の国庫負担を減らせばお釣りがくると思うのは僕だけかな? 

国税のクレジットカード納付

地方では現金信仰というものが根強く残っている地域も少なくないようですが、都市部ではキャッシュレスがかなり進んできました。クレジットカード、プリペイドカード、デビットカードなどなど、キャッシュレスで小銭のお釣りがなくなるのはいいのですが、かえって”カード類でお財布がいっぱい!”ということにもなりそうな気配です。これにポイントカードが加わると、お財布パンパン状態ですよね。さて、キャッシュレスの時代に対応した施策が国税でも始まっています。国税のクレジットカード納付です。

クレジットカード納付の手続き(国税庁)

現状で、国税の納付方法は、1.昔ながらの税務署での現金納付、2.もっとも一般的な金融機関での納付、3.コンビニ納付、4.指定口座から引き落としの振り替え納付、5.ネット上で決済をするダイレクト納付、6.クレジットカード納付、の6つになります。このうちの6番目のクレジットカード納付は平成29年になって始まった新しい納付方法です。

クレジットカードで納付をすると、どんなメリットがあるでしょう。まず、後払いで済むこと。次に、ポイントが付くこと。ポイントが付くなら普通に納付するよりもお得感あるなぁ、と思ったそこのあなた、デメリットもチェックしてくださいね。

次にデメリットです。第一に、クレジットの手数料は納税者が負担します。次に、納税証明書の発行が遅くなります。クレジットカードをお買い物で使い場合、手数料を負担することはまずありませんね。たまに、”ポイントが少なくなります”と言われることはありますが…しかし、国税を納付する場合は、1万円ごとに82円(税込)の手数料を納税者が負担しなければなりません。単純に考えれば、最低でも0.82%の負担が生じるわけです。そこで、ポイントのお得感に酔っていたあなた、ポイント還元率をチェックしてからお得感を考えてくださいね。すなわち、少なくとも0.82%を上回るポイント還元率でないと、かえって損になるのです。一般的なポイント還元率は0.5%のようなので、カードを選ばないとポイントでのメリットは享受できないことになります。つぎに、借入などの関係で納税証明書をすぐに入手したい場合は、クレジットカード納付をすると困る事態になります。クレジットカード会社を経由しての納付のため、納税証明書発行まで時間がかかり、2週間程度は余裕を見ておいた方が良いそうです。

世の中にはポイント還元率が1%を超えるクレジットカードもあるので、これらのカードを用いれば手数料分のもとはとれそうですが、お得感はあまりありませんねぇ。そうそう、クレジットカードでお得な納税がありました。ふるさと納税です。これは、手数料を負担することがありませんからね。 

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